ワクチン
「ワクチン=病気の予防」と理解されている飼い主様は多いと思いますが・・・
- どのように予防されているのか?
- どんな病気を予防しているのか?
- なぜ必要なのか?
など、知らされていない又は忘れてしまった飼い主様も多いようです。
そこで、ここで知っていただく又は思い出していただくために、簡単にお伝えしたいと思います。
1:どのように予防されているか?
ワクチンとは、病害性を弱くした生きたウイルスや死んだウイルスから作られる予防したいウイルスの情報です。
このワクチンを体内に入れ、ウイルスの情報を免疫の細胞に覚えてもらい、侵入されても感染・増殖される前に、すぐ撃退できるよう準備しておかせることが予防となります。
2:どんな病気を予防しているのか?
動物病院で接種される主なワクチンを表にしました。
犬
予防する病名 | 主な症状 |
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ジステンパー | くしゃみ・鼻水・嘔吐・下痢・ケイレン |
パルボウイルス感染症 | 嘔吐・下痢 |
犬伝染性肝炎 | 嘔吐・下痢 |
犬伝染性喉頭気管炎 | 咳・くしゃみ・鼻水 |
犬パラインフルエンザ | 咳・鼻水 |
犬コロナウイルス感染症 | 嘔吐・下痢 |
レプトスピラ感染症 | 嘔吐・下痢 |
狂犬病 | 神経症状 |
猫
予防する病名 | 主な症状 |
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猫汎白血球減少症 | 嘔吐・下痢 |
猫ウイルス性鼻気管炎 | 咳・くしゃみ・鼻水・結膜炎 |
猫カリシウイルス感染症 | 咳・くしゃみ・鼻水・口内炎 |
フェレット
予防する病名 | 主な症状 |
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ジステンパー | くしゃみ・鼻水・肉球の硬化 |
どの病気にも、軽から重度の発熱や元気・食欲の低下が認められることが多いです。
そして、どの病気も呼吸器か消化器の症状が認められます。
3:なぜ必要なのか?
病気を予防するため・・・ということは、誰もがご存知であると思います。
自分の家族となった動物を守ることが第一ですが、周りの動物たち全てのためにも必要になります。
ウイルスは、自分で好き勝手に増えることはできません。増殖するには、動物の細胞内に入り込んで、その細胞内の材料を使う必要があります。つまり、感染を許すとウイルスは増殖し、増えたウイルスは周辺に散っていき他の動物へ再び感染をします。
さらに、感染しても症状がでないで、増えたウイルスを排出してしまうこともあり、この場合、気付かぬうちに、突然あちらこちらで病気になる動物が増えてしまうことになります。
これらのことから、予防をしておかないと病気になり易くなるだけでなく、知らぬうちに病気をばらまいてしまうことにもなりかねません。
自分のためにも、周りの友達のためにもワクチンは必要なのです。
ただ、ワクチンだけが病気の予防ではありません。健康に楽しく過ごさせてあげることも、大事な予防になります。
ワンちゃんの場合の費用
6種混合ワクチン | 6,000円 |
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8種混合ワクチン | 8,000円 |
狂犬病ワクチン | 3,000円 |
※税抜き費用となります。
ネコちゃんの場合の費用
3種混合ワクチン | 5,000円 |
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※税抜き費用となります。
フィラリア
フィラリアとは?
蚊が吸血した際に侵入し、血管・心臓内に寄生する線虫で、虫を成長させ放っておくと命に関わる事態にもなってしまう危険な寄生虫です。
現在は、飼い主様の積極的な予防により、フィラリアに寄生された患者さんは減りました。しかし、蚊がいなくなったわけでも、フィラリアがこの世からいなくなったわけでもありません。病気が少なくなると危機感がどうしても減ってしまいますが、しっかり予防をしてあげてください。フィラリアは動物がいなければ増えることはできないので、みんなが予防することで、フィラリアの増殖する機会が減り、フィラリア症の少ない今のような安心が継続できるのです。
予防の仕組み
フィラリア予防は、成虫寄生を予防することで、蚊に刺されないようにすることでも、フィラリアが侵入できないようにすることでもありません。
フィラリア成虫を駆虫するには、時間もかかり、状況によっては体に負担をかけてしまいます。
そこで、幼虫の間に駆虫をすることがフィラリアの予防となります。
フィラリアの幼虫が侵入してから成虫になるまで、約1か月半程度かかります。そのため、毎月駆虫をして成虫にならないようにすることと、蚊が見られなくなってから1から2か月駆虫薬を飲ませてあげることが重要となります。
外部寄生虫
ノミ
小さいけれど、色々な厄介ごとを運んでくる体表につく寄生虫。
夏のイメージがありますが、冬でも寄生する可能性のあるしつこい奴で、家の中にも色々なものを介して入ってきて、誰の許可なく繁殖します。
そして、厄介ごととは、瓜実条虫(サナダムシ)の寄生を手助け、ノミアレルギーを起こさせてしまうこと。瓜実条虫は消化管に寄生して下痢を起こすことがあり、アレルギーになってしまうと、ノミが1度吸血しただけで全身に痒みがでてしまいひどい皮膚病とストレスをもたらします。
ノミの予防をせずに、自由にさせてしまうと、本人だけの問題にとどまらず、周りの犬、猫、兎、フェレット・・・しまいには人にも被害が出てしまいます。
みんなのために、何かしら予防してあげるようにしてあげてください。
費用につきましては、種類により金額が異なりますので、お気軽にお聞き下さい。
マダニ
一見クモのようにも見えるかもしれませんが、草むらに潜み、動物が近づくと寄生して吸血するとともに、色々な病気をうつしてしまう厄介な寄生虫です。
特に暑い季節の山や川には要注意ですので、この場合は必ず予防が必要です。
マダニからくる怖い病気には、赤血球を壊してしまう寄生虫や細菌があり、これらは貧血を引き起こし、時には命に関わることもあります。
ノミ同様に、自分のためにも、周りの友達のためにも予防してあげることをお勧めします。
費用につきましては、種類により金額が異なりますので、お気軽にお聞き下さい。